
夫婦関係の問題に休息はありません。こんな時どうしたらいい?誰にも相談できない夫婦の悩みをちょっとだけ軽くできたら。LifeDesignLaboの読む夫婦カウンセリングです。
「話し合えばわかるはず」という過信
ふたりの間に違和感やギクシャクとしたものを感じた時、真っ先に取り組むのが「会話を増やすこと」ではないでしょうか。
コミュニケーション不足を感じる場合はもちろん、家事の分担や子育ての方針等、決めなければいけないことがあるという時には、当然「会話」や「話し合い」は必要なのですが、ただ「話す」時間だけを増やしても、必ずしも良い結果に繋がるとは限りません。
もちろん、話し合うことで分かり合えることがあるのはその通りなのですが、お互いの価値観や考え方に及ぶまで深く関わりあう夫婦の関係性においては、どんなに話し合っても意見の擦り合わないこともあります。
「話し合えば分かり合えるはず」と、話し合いを重ねても着地点が見つからない、そんな「消耗戦」のような対話が続けば、話し合うことそのものが困難になることだってあるでしょう。
そもそも夫婦の毎日は、仕事に家事に子育てにと、エネルギーを必要とすることばかりです。エネルギーが不足すれば心のゆとりもなくなって、ちょっとした行き違いが感情的な衝突に発展してしまうことも少なくありません。
「わからないこともある」のが当たり前
夫婦とはいえ、それぞれ別の個人。大切に思うことや価値観が違うのは当然のことです。中にはどうしても擦り合わないことだってあるかもしれません。そんな時に、「話し合えば分かり合えるはず」という前提に立っていると、分かり合えないことが大きな問題になってしまいます。ここではまず、お互いを別の個人として尊重することが大切で、異なる個人である以上、理解することが難しいことも、意見が対立することもあり得る、と承知しておくことが必要です。
話せば分かる、では成り立たなくなってしまった夫婦の対話を見直すには、「わからないこともある」を前提に、意見や価値観の「違い」をうまく伝え合うスキルが欠かせません。
また、違いを否定しないで伝えるためには「心のゆとり」が確保されていることが重要です。家事の分担や育児の方針など、異なる考え方ややり方を前に相手の考えを否定しないで尊重することは、思うよりずっとストレスのかかるアプローチだからです。
思い通りにいかないことにイライラしてしまうのは誰にでも経験のあることで、イライラすれば誰だって言葉はキツくなるものです。聞く耳を持たない相手の話を聞く気になれないのも無理はありませんし、自分の意見を否定されれば反論したくなるのも自然なことです。うまく伝えるためのスキルを身につけても、心のゆとりがなければ実践は難しいもの。異なる意見や価値観の違いに直面しそうな話題について対話をしようとするなら、まずは対話に臨める状態を整えることが大事です。夫婦の毎日はエネルギーを消耗することばかりです、まずは心のゆとりを確保すること、そのために消耗した気持ちのリカバリーが不可欠です。
自分にも相手にも「ゆとり」をあげる
建設的な話し合いのために、まずは心を整える。一見、遠回りで過剰な取り組みのように思えるかもしれませんが、感情的になっている状態で話し合いを始めても、「消耗戦」になってしまう確率が高まるばかりです。もし、今すぐ話し合わなければならない問題があったとしても、精神的に疲れている、イライラしていると感じたなら、まずはクールダウンが必要です。
「一旦落ち着こう」
そんな風にひと呼吸入れることができれば、気持ちにゆとりも生まれてきます。大事な話であるからこそ、「安全に話し合える状態(心理的安全性)」を優先することが、解決への近道になります。
* 温かい飲み物を飲む * 甘いお菓子を食べてみる * 短時間で気分をリフレッシュできる行動
こうした行動を取り入れるとより効果的です。エネルギーが不足している状態では、どれだけポジティブに考えようと努めても難しいもの。まずは心のコップを満たして気持ちにゆとりを持つことが大切。自分にも、相手にも「心のゆとり」をあげることを意識してみると、お互いに削り合うような対話にはなりずらいものです。
まずは安全に対話ができる状態をつくる
考え方や意見の相違を前に、ストレスを感じるのは自然なことです。それが子育てや家事の分担など、生活に密着するようなものであればなおのことです。そうであるからこそ、安全に対話ができる状態(心理的安全性)を作ることが建設的な対話の第一歩となります。
