読む夫婦カウンセリング

夫婦関係の問題に休息はありません。こんな時どうしたらいい?誰にも相談できない夫婦の悩みをちょっとだけ軽くできたら。LifeDesignLaboの読む夫婦カウンセリングです。


価値観の違いをどう取り扱えばよいか

価値観の違いが夫婦関係を悪化させる?

価値観が違う、ということが夫婦の関係においてネガティブな要因であると信じる人は少なくありません。

いっぽうで、違う人間なのだから価値観が違って当然と考える人も少なくはありません。

価値観の違いを理由に、夫婦関係を継続できないと感じている人でさえ、頭の片隅では、同じ価値観を持ち合わせている夫婦などいないと理解しているようにも思えます。

自分にないものを持っている相手に惹かれる、そのいっぽうで、生活を共にする上では共通項をより多く持っていることが重要。

だとすれば、これはかなり険しい道筋のようにも見えます。

実際、考え方や価値観の違いが明白になってくると、深い対話やコミュニケーションにも様々な問題が起こり始めます。

以前の記事「話し合うほど、もうムリだと絶望してしまいます。」にも書いていますが、これは元来仲の良かったカップルにこそ、起こりやすい問題でもあります。

けれど、夫婦の関係を悪化させているのは、本当に「価値観の違い」なのでしょうか?

そうだとしたら、ほとんどすべての夫婦が厳しい状況に陥っているはず。

もちろん、そんなことはないので、実際に夫婦関係に良くない影響を及ぼしているのは「価値観が違うこと」だけではないのだろうと思うのです。

価値観の違いが許せない理由

違いがあるのは自然なこと、と理解をしているいっぽうで、それを受け容れられない。一見、矛盾するようですが夫婦の間では頻繁に起こることです。

なぜ、私たちは夫や妻が、自分と違う考え方や価値観であることに寛容になれないのでしょうか?

まずひとつに「彼なら(彼女なら)きっと私と同じ考え方に違いない」あるいは「私の考え方を尊重してくれるはずだ」という、漠然とした期待があるのかもしれません。

実際、大部分では共通しているところも大いにあるでしょうし、大方のことは許し合えるのかもしれません。

けれど夫婦の関係性では、共通しているところよりも、違いを感じるところにばかり意識が向かいやすいものです。

なぜなら、夫婦の間にある「価値観」の違いには、より現実的な問題が紐付いているからかもしれません。

「仕事が大切なのはよく理解していますが、もう少し家族の時間も大切にしてほしいんです」という声を時々聞きますが、この背景には、仕事の仕方と家族(夫婦と子ども)との関わり方に関する価値観の違いと、不満が伺えます。

この他にも、夫婦の間には意見や考え方の対立しやすいテーマがいくつもあって、そのひとつひとつには超具体的かつ、現実的なストレスがセットになっています。

例えば「仕事ばかりを優先される」というテーマには、

・子どもとの時間を取ってくれない
・家事育児の負担が偏っている
・夫婦の時間がとれない
・セックスレス

等、ざっと見ただけでも決して軽くないストレス源が含まれています。

仕事と家族に対する考え方が違う、と言葉にすれば単純にさえ思えるテーマですが、そこに紐づく現実的な問題というのは、無頓着にスルーするには重すぎるものばかりです。

これを単に、「価値観の違い」と受け止めて充分な理解や歩み寄りができてなかったなら、問題はあっという間に価値観の違いを越えて、夫婦としての「思いやり」や「愛情」に関する問題にまで広がってしまいます。

「価値観の違いを許せない」というのは、実のところ考え方や価値観の問題ではなく、それに紐付いた「気持ちのわだかまり」がテーマなのかもしれません。

夫婦関係を悪化させるもの

「価値観の違い」が夫婦関係を悪化させると考えられてきた背景には、その取り扱いの難しさがあるのだと思います。

異なる価値観をテーマに対話をすること、そこから夫婦としての価値観を創り上げていくことは、強いコミットメントを必要とする取り組みです。また「違い」を受け止める柔軟性、そしてクリエイティビティーが求められます。

お互いにコンディションが整った状態でなければ、かなり高い確率で暗礁に乗り上げてしまうのではないでしょうか。

そしてもうひとつ、夫婦にとって「価値観の違い」は、生活のあらゆる場面に直接結びついています。

・家事の分担
・育児のオペレーション
・実家との付き合い方
・お酒の飲み方や人付き合い

等など、

充分な話し合いができていない、という事は、そこにある日常的な行き違いやストレスを解消できていないということでもあります。

ひとつひとつは、小さなことでも、積み上がれば大きな痛みに変わることもありますし、話し合うことさえできないとなれば、絶望的な気持ちになるのも無理はないのかもしれません。

加えて「以前はなんでも話し合って解決できた」という成功体験があるなら尚のことです。

だとすれば、夫婦の関係を悪化させるのは、価値観が違うことでななく、「価値観の違い」に気づいた時にそれを扱う方法を持ち得ていないことなのではないでしょうか。

価値観の違いの取り扱い方

夫婦で異なる価値観について向き合う時、対話を始める前に気をつけておくことがあります。

まず、「価値観の違い」に踏み込む前に、日常的なストレスを解消するための手立てを考えておくということ。日々の煩わしさや小さな痛みを取り除くことはお互いにとって何より優先すべきことと認識しておきたいところです。

次に、自分にとって大切なものは何か?価値観の優先順位について理解しておくことと同時に、パートナーにとって大切なものは何か?についても理解を深めておくこと。相手にも理解を注ぐスタンスが、対話をスムースに運ぶ助けになるはずです。

そしてもうひとつ、価値観や考え方の行き違いから生じた「気持ち(感情)のわだかまり」をできるだけ下ろしておくこと。過去のわだかまりは、新しい取り組みや対話を妨げる要因になる場合があります。

価値観の違いを取り扱う前にチェックしておきたいこと

□ 日々のストレスを取り除く

□ 価値観の優先順を理解しておく

□ 感情のわだかまりを下ろす

一足飛びに「さぁ話し合いを」では、「違い」ばかり明確になって折り合いがつかないばかりか、感情的になって消耗してしまうことにもなりかねません。

 


カウンセリングを受ける

初めての夫婦カウンセリング

夫婦カウンセリングメニュー

【考察】価値観の違いをどう取り扱えばよいか