対話のズレに気づく

コミュニケーションが行き違う理由

話し合っても、むしろ話し合うほどに噛み合わなくなってしまう、というケースは少なくありません。

そんな時には、交わされている対話そのものに、ズレが有るのかもしれません。

「夫婦仲を改善したい」という表現ひとつをとってみても、その中身はそれぞれ。「関係性の質」や「改善の内容・度合い」は、ひとつひよつ確認してみなければわかりません。

「結婚前の恋人同士のようになる」ことを改善と呼ぶこともあれば、「ケンカしないで穏やかにすごせること」を改善と呼ぶこともあるということです。

問題やテーマの認識と共に、使う言葉にも共通の認識と解釈がなければ話し合いをすればするほど行き違いが深まってしまうのは当然です。

誰もが自分のメガネを通して相手を見ているもの。まずは自分が見ているもの、聞いていること、話していることのすべては、自分の常識と価値観を通したものであり、相手には相手の常識と価値観があるということを認識することが大切です。

大切な話し合いはもちろん、日常的な会話であっても、そこで使われている「言葉」と「意味」にギャップがないかを意識しておくことで、コミュニケーションの質は大きく向上します。


単語ではなく物語を伝える

言葉は「単語」と「物語」とで成り立っています。

例えば「改善」という単語の意味だけを捉えるなら、「今よりマシ」も「恋人同士に戻る」も、同じ改善ということになりますが、言葉には必ずそう考えるに至るまでの「物語」が含まれていて、なぜその言葉を使うのか?という経緯を知らなければ、本質的な意味を理解することはできません。

 

「毎日ケンカばかりでもうウンザリよね、少しでも行き違いが無くなればうれしいと思うの」

という物語を伝えたいのか?

「出会った頃は毎日がとても楽しかったよね、またあの頃みたいに戻りたいね」

なのか。

 

伝えようとすることの本質を理解してもらうためには、背景にある気持ちまできちんと表現することが必要。そのためにも、単語ではなく物語で伝えることを意識しておくことが大切です。


夫婦だから伝わってるはず?

人は誰でも自分のメガネを通して世界を見ています。

メガネからは自分の物語ばかりが見やすく、相手の物語は見えづらいようにできていて、それは夫婦でも変わりません。

ところが私たちは、とかく夫婦という関係に過信をしやすいところがあって、「夫婦なんだからわかってるはず」や「言わなくても大丈夫」と考えてしまう。

 

「今度の週末、ちょっと付き合ってよ」

と、デートに誘ったつもりでいたのに、夫は朝からゴルフの打ちっぱなしへ。

なんで?出かけようって言ったよね?と怒ったら、

「夕方買い物に行くんだと思ってた」と夫。

 

こんなちょっとした行き違いも、積み重なると絶望的なすれ違いにまで大きくなってしまうことも少なくありません。伝えたいことがちゃんと伝わっているか?伝わるように話しているか?まずは「夫婦だから」という過信を捨てておくことも大切なのだと思います。


(関連ページ)

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