自分を信頼する勇気
夫婦の間で起こることはどんなこともすべて、ふたりの問題であるという見方をしてみます。
もちろん、浮気や不倫など、そうとは考えられない出来事もあるのですが、それさえも「夫婦の問題」と捉えることができれば、夫婦関係は劇的に変化をしていきます。
こんな風に書くと「私にも浮気や不倫の責任がある」と言われているようでしっくりこないかもしれませんが、もしもうまくいかない理由がすべて、相手の問題であるとしたなら、関係修復において自分は無力ということになってしまいます。
いっぽう、たとえそれが、100%相手の問題と思えるような出来事であったとしても、ふたりの間で起こったことには主体的に取り組んでみる、という考え方ができれば、関係修復の主導権を握ることができます。
なぜ主体性が大切なのか?
相手の言動に問題があると感じていて、それが改められなければ夫婦仲は改善しないと考えているとしたら、夫婦関係の修復は「まるで思い通りにならないもの」と思えるかもしれません。
いっぽう「こうすればいいんだ」と、自分にもできることがあると分かったら、それだけで少し、気持ちが楽になるのではないでしょうか。
主体的であることの大切さはここにあります。
どんなに難しく感じられることであっても、自分で取り組めることなら意欲も生まれ、頑張ることもできるものです。ところが、自分には打つ手が何もない、と思えるときには、問題に取組む気力さえなくなってしまうかもしれません。
「もっと話を聞いてくれたら」
「もっと家族を大切にしてくれたら」
「もっと理解を注いでくれたら」
「もっと優しくしてくれたなら」
と、解決のための条件を相手に委ねているときには不安と疑いが生まれますが、夫婦仲を改善するために「私はどうするのか?」と自分の心にフォーカスできれば、気持ちは少し前を向きます。
心が主体性を取り戻すと、以前は感じられなかった気持ちの強さを取り戻すこともできます。
強い気持ちで夫婦仲の改善に取り組むことができれば、相手の挙動、ひとつひとつに心が乱されることも少なくなるはずです。
夫婦をひとつのチームと捉えてみる
主体的であることは夫婦仲の改善に欠かすことができない在り方のひとつですが、もうひとつ大切なことに「ワンチーム」という考え方があります。
「それはあなたの問題でしょ」と、切り離すのではなく、夫婦の問題として考えてみる。
たとえそれが浮気や不貞行為のように、自分にはまったく非がないと感じられるような問題であっても、「私たちの問題」として主体的に取り扱うことは、気持ちを強くしてくれるだけでなく、夫婦としての信頼関係の醸造にもつながります。
まず自分事として問題を捉え直すこと、そして次には私たちの問題として取り組むこと。
夫婦の関係を改善修復するには、自分自身がその問題の当事者であるという認識を持ち続けることが大切なのだと思います。